朝のお説教 第17回

2003年4月29日(火曜日)みどりの日
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朝のお説教-第17回 (4月29日 6時07分)

おはようございます。
「朝のお説教」の時間です。
今日は、陶芸作家の 西河 八兼(にしがはちかね)さんです。
では よろしく お願い いたします。
   おはようございます。西河です。
   にしかわ と書いて、にしが と読みます。
   先生には、何でも 役に 立つことを 話して ほしいと いわれまして・・ 

   わしの親父は、めんぱの職人でした。
   朝から 晩まで、作業場で 作ってました。楽しそうでした。
   親父は、西河 吉兼(にしがよしかね)って いいます。
   よく 言ってました。
      八兼、木の こころを 聞き取れ。
      神経を 張り詰めさせる んで ないぞ。
      毛穴から なにから、みんな 開くんだ。
      そしたら、木の こころが 聞こえてくる。
   わしは だめな 息子でした。
   わしには、木の声が 聞こえて きませんでした。
   ですので、今 土 いじってます。
   土の声は なぜか 聞こえ ましたから。
   
   親父は 好きです。
   なんでも 一生懸命で、
   それに、わしが 何かで 悩んでると、
   大きな目を、さらに 大きく 開いて、じ〜〜〜っと 見つめてくる んですわ。
   わしの 声に ならん声を、聞き取ろうと してる みたいでした。
   それで、ごっつい手で わしの頭を、ワシワシと なでてくれる んですわ。
   いつも それで、いっぺんに 何かが 吹きとんでましたわ。
   
   わしの名前 変ですか?
   おやじが、自分の名前の「兼」と、末広がりで 縁起が いいからって「八」をつけて くれたんです。
   わしは この名前 気に 入ってます。
   でも よ〜く からかわれました。
      「こいつ 計算も ようせん のじゃ。」
      「【にしがはち かね?】じゃと。ばかじゃのぉ。」
   わしは、こう思っとります。
   みんなは 一歩ずつ やけど、わしは 掛け算で 進めるんやと。
   だから 前に 向く気に なってるんやと。
   わしは 馬鹿ですけど、どんどん 進めるんやと。

   いま、土 いじってて、土は 好きです。
   声が よう 聞こえて きます。
   体の感覚全部を、こう 開くんです。
   うまく いえんの ですけど、とんがらせる んでは ないです。
   いろんな もの 全部が こう 染み込んで くるように。
   そしたら 自然に、手に なじむ いい形の ものに 
   土が なりたがってるのが わかるように なりました。
   あれを 作ろうとか、こうして やろうとか
   考えんで、自然に「そうなる」だけです。
   一番 いい形に なるわけです。
   結果を 考えるんでは ないです。
   すべてを「開いて」土の声を 聞くんです。  

   わしの話は、こんな もんです。

ありがとう ございました。皆さん わかりましたか?
西河さんの つくる焼き物は、いい感じ なんですよ。
なんにでも 通じる 「心の持ちよう」 だと 思います。
次回はまだ未定です。
でも、お楽しみに!

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